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ローフードの先にあるもの|10年目の気づきと「シン・リビングフード」の誕生

コラム

ローフードの先にあるもの|10年目の気づきと「シン・リビングフード」の誕生

2026.08.19

私が「ローフード」という世界にはじめて出会ったのは、2016年の夏。ちょうど10年前の、いまごろのことでした。

そして、東京の片隅で小さなお教室を始めたのがその年の12月。この冬、私の活動はひとつの節目である「10年目」を迎えます。

この10年間、私は「ローフード」という食事法を多くの方にお伝えしてきました。 でも、私が本当に伝えたかったのは、そのさらに奥にある「リビングフード(生きた食べもの)」という考え方でした。

ローフードという言葉でさえ、まだ知らない方が多い時代。「マクロビオティックなら、なんとなく聞いたことがある」——世間とのそのくらいの距離感の中で、私が最初に目指したのは、まず「ローフード」という言葉そのものを知ってもらうことでした。

「目で食べる」という発見とときめき

私が最初にローフードに惹かれた理由。それは、目から飛び込んでくる圧倒的な「美しさ」でした。

野菜や果物が持つ、自然のままの色。それは「ファイトケミカル」と呼ばれる、植物たちが自分の身を守るために蓄えてきた力であり、その奥には素晴らしい抗酸化のパワーが秘められています。

毎日食べるものを見て、ときめく。 食卓が、パッと明るく生まれ変わる。 それが、私にとってのローフードの最大の魅力でした。

その美しさを広めることに全力を注いでいた当時、ちょうどInstagramで「インスタ映え」という言葉が流行り始めたこともあり、私の作る色鮮やかな料理を見てくださる方は、少しずつ増えていきました。

私の原点。17年間の専業主婦時代と「季節の手仕事」

実は、私はローフードに出会うずっと前から、季節の手仕事を暮らしに取り入れていました。

17年間、専業主婦をしていた頃。 味噌を仕込んだり、季節の手仕事をしたりするのが、何より好きだったんです。梅酒なんて、主婦になったら自動的に作るものだと、なぜか思い込んでいたほど(笑)。

味噌づくりは、誰に教わったわけでもありません。当時は今のように情報もなく、手作りキットを買っては購入先に問い合わせ、自己流で配合を変えながら試行錯誤を繰り返していました。学生時代からの習慣で、レシピをノートに書き留めるのも好きでした。

いま思えば、あの静かで豊かな台所の時間が、私のすべての原点でした。

娘の事故。二つの点が一つの線に繋がった日

私の人生の大きな転機となったのは、娘が負った重度の熱傷(やけど)でした。

その回復の過程で、食と命のつながりに深く向き合うことになったとき、私は本格的にローフードに出会いました。そして、その根っこにある「リビングフード(生きた食べもの)」という深い哲学に触れたのです。

生の野菜や果物が持つ、生きた「酵素」。 麹や日本の発酵食が持つ、生きた「菌」の力。

——それまで別々のものだと思っていたその二つが、私の中で静かに、そして力強く一本の線に繋がった瞬間でした。

「こんなに素晴らしいものを、もっと多くの人に知ってほしい。その入り口として、まずはローフードを広めよう」。私の教室は、そんな強い思いからスタートしました。

教えるなら、本質をきちんと手渡したい

ローフードを教えながらも、私は自家製の発酵調味料をずっと作り続けていました。すると、生徒さんたちからだんだんと「先生がやっている麹づくりも教えてほしい」という声が増えてきたのです。

教えるのなら、きちんとした体系的な形で伝えたい。 そう思って立ち上げたのが、「発酵プランナー」のクラスでした。

この発酵のクラスの真髄にあるのも、やっぱり「リビングフード」の考え方です。だから、最終的にはローフードと一本の線で繋がっていきます。

だとしたら——。 この二つを、いつか一つの新しい「リビングフード」の形として確立できないだろうか。私はその構想を、ずっと温め続けてきました。

「シン・リビングフード」として、次の世代へ

一般的に、リビングフードやローフードは菜食(プラントベース)の上に成り立っています。でも、それをもっと自分自身の言葉で、日本の風土に合った形で表現できないか。

昨年、私は『&RAW LIVING 〜ローフードの教科書』という一冊の本を出版しました。 「ローフード」のその先にある、「リビング(生きた)」という言葉をまずは知ってほしい。その思いをタイトルに込めました。

そして今、この本には続きがあります。 日本の伝統である「発酵(麹)」と、素材の命をいただく「ローフード」。この二つを掛け合わせた、私なりの新しい理論がようやく確立しました。

それが、「シン・リビングフード」です。

リビングフードの、さらにその先へ。 私が見つけたこの美しい食の世界を、次の世代へと手渡すために。&LAB TOKYOの新しい10年が、ここからまた始まります。


【&LAB TOKYOの哲学と学びに触れる】

安藤千英が提唱する「シン・リビングフード」のベースとなる知識や、細胞から美しくなる食の理論は、以下の「KNOWLEDGE(知識庫)」でも詳しく解説しています。

  • [ローフードとは?専門家が効果・始め方・注意点まで解説]
  • [リビングフードとは?自然の恵みを活かした食事法]
  • [発酵とは?微生物の力で生まれる食の世界]

「一生モノの知識を身につけたい」「心と体を根本から整えたい」という方は、ぜひ各講座の詳細もご覧ください。東京・渋谷のサロンでお待ちしております。

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