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ローチョ�コレートとは

ローチョコレートとは

ローチョコレートの基本・違い・栄養・香り・作り方を、専門家がやさしく解説します。

ローチョコレートとは?低温で仕上げる栄養を生かすチョコレート|効果・作り方・Q&A

ローチョコレートとは?|低温で仕上げる“栄養を生かす”チョコレート

ローチョコレートとは、できるだけ低温で仕上げることで、カカオ本来の栄養や香りを大切にしたチョコレートのこと。

一般的に「48℃以下で作る」と言われることもありますが、それはあくまでローフードの考え方を重視した場合です。

ただ、カカオに限っては発酵の段階ですでにその温度を超えており、“48℃以下”という基準だけでは説明できません。

つまりローチョコレートとは、カカオの栄養と風味を最大限に生かしながら、低温で丁寧に仕上げるチョコレートなのです。

普通のチョコレートとの違い|加熱温度・製法・栄養の比較

一般的なチョコレートは、カカオ豆を収穫した後、発酵 → 乾燥 → 高温焙煎という工程を経て作られます。
この焙煎温度はメーカーや用途によって異なりますが、一般的には110〜150℃の範囲で焙煎されることが多く、この工程によってカカオ特有の香ばしい香りと深いコクが生まれます。
一方で、加熱によりポリフェノールやビタミンなど一部の栄養成分は失われやすくなります。
 
ローチョコレートはこの高温焙煎工程を行わず、カカオの栄養と香りを守るために、低温で丁寧に仕上げたカカオ豆(ローカカオ)を使用します。
カカオバターを溶かす工程でも、できるだけ加熱を抑え、素材のままの風味や栄養を大切にしています。
そのため、カカオ本来のナチュラルな香りと、やわらかな口どけが感じられるのが特徴です。

ローチョコレートの栄養と健康効果

ローチョコレートは、できるだけ加熱を抑えることで、カカオ本来の栄養や香りを生かしたチョコレートです。

一般的なチョコレートに比べて、ポリフェノールやミネラルなどの栄養素をより多く保つことができるのが特徴です。

カカオ豆はもともと「スーパーフード」とも呼ばれ、酸化ストレスを防ぐ抗酸化成分や、代謝・ホルモンバランスを支える栄養が豊富に含まれています。

 

ここでは、ローチョコレートに含まれる代表的な栄養と、その健康効果を見ていきましょう。

1. 抗酸化作用とアンチエイジング

ローチョコレートに多く含まれるカカオポリフェノールは、活性酸素を抑えることで細胞の酸化を防ぎ、肌のハリや血管の健康を守る働きがあるとされています。

加熱によってポリフェノールの一部は失われますが、低温製法ではその損失を最小限に抑えられるため、“食べる美容液”としても注目されています。

2. ミネラルによる代謝サポート

ローチョコレートには、マグネシウム・鉄・亜鉛などの必須ミネラルが豊富に含まれています。

マグネシウムはエネルギー代謝や筋肉の働きに、鉄は血液中のヘモグロビン合成に、亜鉛はホルモンバランスや免疫の調整に関与しています。

特に女性に不足しやすいミネラルを補う点で、ローチョコレートは優れたサポートフードといえます。

3. トリプトファンとメンタルケア

カカオにはトリプトファンというアミノ酸が含まれ、これは“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの原料になります。

ストレスが多い現代では、セロトニンの分泌バランスが乱れやすく、トリプトファンを含む食材を適度に取り入れることで、気分の安定やリラックスに役立つといわれています。

4. フェムケアの視点から

近年、チョコレートは“フェムケア(女性の健康ケア)”の分野でも注目されています。
カカオに含まれるマグネシウムや鉄、テオブロミンは、月経前後の不調や冷え、ストレスなどに関わる体調サイクルをサポートする可能性があります。
また、代表的なものとしては、大手チョコレートメーカーの明治が展開するフェムケア食品「α-LunA(アルファルナ)」があります。
乳由来たんぱく質α-ラクトアルブミンやビタミンB群を組み合わせ、生理周期に合わせた体のリズムサポートを提案しています。
ローチョコレートも、こうした「体をいたわる嗜好品」として、日常に取り入れやすい存在です。

5. 腸内環境と美肌の関係

ローチョコレートの甘味づけには、メイプルシロップなどの低GI甘味料を使うことが多く、血糖値の急上昇を抑えながらエネルギー補給ができます。

さらにカカオには食物繊維(リグニン)も含まれており、腸内環境を整えることで肌の調子にも良い影響を与えるといわれています。

まとめ

ローチョコレートは、甘さを楽しむだけでなく、抗酸化・代謝・ホルモン・メンタルといった幅広い健康要素を内包したチョコレート。

低温製法によって栄養を生かすことで、体と心の両面をやさしく支えてくれる“ウェルネス・スイーツ”といえるでしょう。

ローチョコレートの味と香りの特徴|ビターチョコとの比較

チョコレートの香りは、カカオ豆そのものの香りに加え、発酵・乾燥・加熱の工程で生まれる香気成分によって構成されています。

代表的な香り成分には、ピラジン類・エステル類・アルデヒド類・ピロール類・フラン類などがあり、

これらの複雑な組み合わせが、ナッツのような香ばしさ、フルーティーさ、フローラルな香り、スモーキーな余韻を生み出します。

 

一般的なチョコレートの香ばしさは、高温焙煎によるメイラード反応で生まれます。

一方、ローチョコレートに使用されるローカカオ豆は、発酵後に約70℃前後の低温でじっくり乾燥させるのが一般的。

これにより、焙煎で生まれる香ばしさではなく、発酵過程で育まれた果実のようなフルーティーな香りをそのまま残すことができます。

まさに、“香りを作る”のではなく、“香りを守る”製法といえるでしょう。

 

加熱を抑えることで、発酵由来のエステル類やアルデヒド類など揮発性のアロマ成分が生きており、

ひと口食べると、果実や花を思わせる繊細な香りがふわりと広がります。

これは、深煎りのビターチョコレートとは異なる、やわらかく華やかな香り立ち。

香ばしさよりもナチュラルな酸味とアロマ効果によるリラックス感が感じられ、

まるで“食べるアロマセラピー”のような癒やしをもたらします。

 

甘さも控えめで、カカオの深みと自然な香りが調和した軽やかなビター感が特徴。

高温で加工しないローチョコレートは、“食べる美容液”であり、同時に“香りで癒やすスイーツ”でもあります。

ローフードとの関係|“酵素を守る”ではなく“栄養を守る”食文化

「ロー(Raw)」とは、“生の”という意味。

栄養素をできるだけ壊さずに摂るという考え方から生まれたのが、ローフード(Raw Food)です。

 

一般的にローフードでは、48〜50℃以下を目安に加熱を抑え、

酵素を活性化させたまま、ビタミンやミネラルを保ちながら調理します。

つまり、“酵素を守る”というよりも、栄養と生命力を生かすための調理法といえます。

 

この食文化はロサンゼルスで発祥し、

ハリウッドセレブをはじめ、世界中で「リビングフード(Living Food)」として注目されてきました。

「リビング(Living)」とは“生きた”という意味で、

Raw(生)+ Fermented(発酵)──酵素や微生物など“生きたもの”を食べるという考え方を融合した食文化です。

生きた酵素や発酵の力によって、からだの内側から整える“生きた食”として広まりました。

 

ローチョコレートは、まさにこのリビングフードのエッセンスをスイーツとして取り入れた存在。

加熱を抑えながら、カカオの持つ抗酸化力・香り・エネルギーを活かし、

食べながら心身を整える“ウェルネススイーツ”として進化しています。

ローチョコレートの作り方と注意点

ローチョコレートは、カカオ本来の香りと栄養を守るために、焙煎を行わず高温で加工しないのが基本です。

発酵・乾燥されたカカオ豆(ローカカオ)を用い、素材の温度が上がりすぎないよう丁寧に混ぜ合わせることで、

カカオの持つ繊細なアロマ豊かなミネラル成分がより引き立ちます。

 

この“絶妙な低温での製法”によって、カカオポリフェノール・マグネシウム・鉄・亜鉛・食物繊維などの栄養素が守られ、

美容や健康維持にうれしい作用が期待できます。

特に抗酸化成分が豊富なため、アンチエイジングや美腸サポートにも注目されています。

 

ローチョコレートは、“食べる美容液”とも呼ばれるスイーツ。

甘すぎず、自然な風味とやさしい口どけで、心とからだをやさしく満たしてくれる存在です。

そのままでも、お茶やワインと合わせても、素材の個性を楽しめます。

Q&A|よくある質問

初めての方からよくいただく質問を、専門家の立場からまとめました。

基本の考え方や製法の違いを知ることで、より安心して楽しみ、学ぶことができます。

Q1. ローチョコレートは「48℃以下で作る」と聞きましたが本当ですか?

A. 一般的に「48℃以下」と紹介されることがありますが、実際にはカカオ豆の発酵工程で50℃前後まで温度が上がることがあります。

そのため正しくは「高温焙煎を行わず、できる限り低温で加工する」ことを指します。

当協会では、安全性と美味しさを両立するために、低温殺菌済みの原料を使用し、適切なテンパリング技術を組み合わせて作ることを大切にしています。

 

 

Q2. 酵素は48℃で失活するのではないですか?

A. 酵素の失活温度は一律ではなく、種類ごとに異なります。

「48℃で失活する」というのはローフードの世界で広まった目安ですが、カカオの場合は発酵段階で自然に50℃前後に達することもあり、その温度でも活性が残る酵素も存在します。

大切なのは「すべての酵素が48℃で一斉に壊れるわけではない」という理解です。

当協会では、酵素やポリフェノールなどの栄養をできる限り残しつつ、安全性を重視した製法を指導しています。

 

 

Q3. ローチョコレートを作るには特別な機材が必要ですか?

A. 専用のテンパリング機材を使うと仕上がりが美しくなりますが、家庭用の調理器具からでも始められます。

当協会の講座では、初心者でも扱いやすい方法から指導しています。

 

 

Q4. ローチョコレートにはどんな栄養素が含まれていますか?

A. カカオポリフェノール、マグネシウム、鉄、亜鉛、食物繊維が豊富です。

特に抗酸化成分が多く含まれるため、美容や健康サポートに役立つ“食べる美容液”として注目されています。

 

 

Q5. ローチョコレートにはカフェインは含まれていますか?

A. カカオ豆にはカフェインや、覚醒作用のあるテオブロミンが自然に含まれています。

そのため「夜遅くに食べると眠れない」という方もいます。

ただし、これらはコーヒーほど多くはなく、敏感な方は摂取量に注意すれば安心して楽しめます。

また、抗酸化物質やミネラルも同時に豊富に含まれるため、適量であれば美容と健康に役立つ食品としておすすめです。

ローショコラティエ製法と学び|協会が提唱する“次世代のチョコ文化”

ローショコラティエ製法では、単に低温で作るだけでなく、
テンパリング(カカオバターの結晶を整える工程)をより丁寧に行うことで、
美しい光沢、なめらかな口どけ、深みのある香りを引き出します。
 
ローチョコレートは水分が多く繊細なため、加工や保存に注意が必要ですが、
その自然な風味と奥深さは、一般的なチョコレートとは一線を画します。
 
当協会の講座では、この製法を正しく理解し、安心・安全に伝えられるプロフェッショナルを育成しています。

ローチョコレートマイスター講座について

初級〜上級まで体系的に学べる資格講座。
家庭用からプロフェッショナルレベルまで幅広く対応。
詳しくは講座ページをご覧ください。
​ローチョコレートマイスター講座は→こちら

まとめ|“栄養を守る”という新しいチョコレートの価値

ローチョコレートは、素材の生命力を生かす食文化。
美と健康をつなぐ新しいチョコレートとして、これからさらに広がる可能性を秘めています。
 
“食べることは生きること”。
カカオの恵みを、より自然なかたちで取り入れる選択を、あなたの手で。
ローチョコレートとは

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